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1992年12月の世界エイズデーに向けて、某地方自治体がストップ・エイズ・キャンペーンを実施し、そのときTVコマーシャルに無料で出演したタレントと総称される人を、エイズ問題への寄与を多として表彰しました。このことを知って怒り心頭に発したあるジャーナリストが、この問題で表彰されるべき人は他にいる、と余りにもっともな理由から、ならば自分でそれをしようと、出版されたばかりの彼の著書の印税を賞金に拠出することにしました。彼の周りにいた何人かが、このいかにも彼らしい発想に共鳴して選考委員への名乗りをあげました。こうして「PWA賞」が生まれたのです。副賞として添えられる賞金はその趣旨に賛同した人たちからの寄付で支えられています。
受賞者に贈られる賞状には次のように記されています。
「あなたの存在は、エイズに影響を受けたすべての人たちを支え、はげまし、勇気づけてきました。その功績をたたえ、ささやかな感謝の気持ちを込めて、ここにPWA賞を贈ります。」
第1回からこれを唯一の選考基準にして、数名からなる選考委員会が選考にあたっていますが、委員の名前は公表されていません。エイズによって提起された問題にそれぞれの仕方で深く関わっていますが、いずれもおよそ権威とは関係のない人たちです。したがって、この賞には何の権威もありません。しかしその権威のない賞が権威を持つようになっているとしたら、それはこれまでに賞を受けていただいた方々のすばらしい功績によるものなのです。
PWA賞選考委員会スポークスパーソン 樽井正義
【これまでの受賞者】 (肩書きは受賞当時の所属団体)
第1回(1992年度)
石田吉明さん(京都からの手紙、輸入血液製剤被害者救援グループ代表)
広瀬泰久さん(HIVと人権・情報センター東京支部顧問)
第2回(1993年度)
宇野信子さん(山形ヘモフィリア友の会代表)
平田豊さん(エイズサポート千葉代表)
第3回(1994年度)
稲田頼太郎さん(イナダ・ラング財団)
たんべさん(H.I.Voice編集局)
松田瑞穂さん(日本キリスト教婦人矯風会 女性の家HELPディレクター)
第4回(1995年度)
木村久美子さん(東京都立駒込病院Kラウンジ、ぷれいす東京)
屋鋪恭一さん(HIVと人権・情報センター 大阪、ケアーズ)
山形操六さん(財団法人エイズ予防財団専務理事)
第5回(1996年度)
井上洋士さん(SHIP代表)
第6回(1997年度)
木島知草さん(風知草の会)
南定四郎さん(エイズアクション代表)
第7回(1998年度)
野田衛さん(財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会)
榎本てる子さん(京都YWCA若者・女性とHIV/AIDSプロジェクト)
第8回(2000年度)
沢田貴志さん(国際保健協力市民の会 (SHARE))
桃河モモコさん(UNIDOS、SWASH)
第9回(2001年度)
市川誠一さん(神奈川県立衛生短期大学教授)
第10回(2002年度)
長谷川博史さん(NoGAP)
北山翔子さん(特定非営利活動法人ぷれいす東京)
第11回(2003年度)
家西悟さん(大阪HIV薬害訴訟原告代表)
第12回(2004年度)
生島嗣さん(ぷれいす東京事務局長)
第13回(2006年度)
張由紀夫さん(aktaディレクター)
第14回(2009年度)
稲場雅紀さん(特定非営利活動法人アフリカ日本協議会国際保健部門ディレクター)
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